秋の七草キキョウ!日本一の4万株から全国有名名所TOP5
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秋の七草キキョウ!日本一の4万株から全国有名名所TOP5

万葉の昔から秋の七草として愛される気品ある花『キキョウ(桔梗)』。全国に点在する名所の中から、株数や群生規模が大きい上位5ヶ所をランキング形式で特集!国内最多約4万株を誇る静岡の香勝寺をはじめ、京都の晴明神社や東福寺天得院、廬山寺まで、各名所の魅力、開花の仕組み、花言葉、歴史(家紋・五芒星)なども紹介します。


初夏から初秋にかけて、星形に開く端正な五角形の花びらと深みのある青紫色で人々を魅了する「キキョウ(桔梗)」。万葉集で山上憶良が詠んだ「秋の七草」の一つとして古くから日本人に親しまれ、その凛とした気品あふれる佇まいは武士や文人、茶人たちに深く愛されてきました。開花直前の蕾がぷっくりと風船のように膨らむ愛らしい姿から、英語では「バルーンフラワー(Balloon flower)」とも呼ばれます。日本全国には、数万株のキキョウが咲き乱れる壮大な庭園から、古都・京都の歴史ある枯山水庭園や青苔と美しく調和する寺社まで、格別の風情を味わえる名所が点在しています。本当は5月あたりに最初の開花期(6月中旬〜7月中旬)の紹介をするべきなのですが、すでに過ぎてしまい(汗)、秋の七草という意味でも二度咲きの時期である9月の紹介となりました。記事中は9月に関わらずの紹介なので、訪問する時は詳しく調査してからをお願いします。よって記事では日本国内で特に株数・群生規模や歴史的価値が高いキキョウの有名名所をランキング形式で上位5ヶ所ピックアップし、それぞれの見どころや見頃時期、植物としての特徴、花言葉、そして家庭で二度咲きを楽しむ育て方までを徹底解説いたします。

全国キキョウ名所 株数・本数ランキングTOP5一覧#

日本国内で公表されている株数・群生規模が大きい上位5ヶ所の名所を表にまとめました。

名所・寺社名 所在地 株数・本数規模 例年の見頃時期 主な魅力・見どころ
鹿苑山 香勝寺(こうしょうじ) 静岡県周智郡森町草ヶ谷 15種・約4万株
(100万本超)
6月中旬~8月下旬 「ききょう寺」の筆頭。日本一の圧倒的規模を誇るききょう庭園。紫・白・ピンクの絨毯が広がる。
晴明神社 京都府京都市上京区晴明町 約2,000株 6月中旬~9月下旬 陰陽師・安倍晴明を祀る聖地。社紋「晴明桔梗(五芒星)」ゆかりの花。桔梗庵周辺に涼やかに咲く。
東福寺 塔頭 天得院(てんとくいん) 京都府京都市東山区本町 約1,500本
(約300~500株)
6月中旬~7月中旬
11月中旬(秋の特別拝観)
「桔梗の寺」として名高い名刹。緑の杉苔と白砂の枯山水庭園に凛と咲く青紫の花が絶景。
廬山寺(ろざんじ) 京都府京都市上京区北之辺町 約1,000本 6月中旬~9月上旬 紫式部邸宅跡(『源氏物語』執筆の地)。「源氏庭」の白川砂と緑苔の海に咲く紫と白の桔梗。
法界山 遍照寺(へんじょうじ) 兵庫県美方郡香美町小代区 約1,000株 7月上旬~7月下旬 但馬の山里に佇む「日本三大ききょう寺」の一つ。苔むした境内に静けさと共に咲き誇る。

※キキョウは初夏(6月〜7月)に一度目の見頃を迎え、切り戻しや手入れによって秋(8月下旬〜9月)に二度目の見頃を迎えるスポットが多くあります。

第1位:約4万株・100万本超の日本一!香勝寺(静岡県森町)#

堂々の第1位に輝くのは、「遠州のききょう寺」として全国にその名を轟かせる静岡県森町の「鹿苑山 香勝寺(こうしょうじ)」です。日本三大桔梗寺の筆頭に数えられます。

境内の「ききょう庭園」には、日本一となる15種類・約4万株(花数にして100万本以上)のキキョウが植栽されています。初夏の開花期を迎えると、見渡す限りの敷地が青紫、純白、淡いピンクの花で埋め尽くされます。八重咲きや絞り咲きなど珍しい品種も鑑賞でき、庭園内を散策しながら「ききょう茶」や精進料理を味わえる、まさにキキョウ愛好家の聖地です。

第2位:陰陽師の五芒星が咲き誇る!晴明神社(京都府京都市)#

第2位は、平安時代の伝説的な陰陽師・安倍晴明公を祀る京都の「晴明神社」です。晴明神社の神紋は、陰陽道の魔除けの呪符である五芒星を象った「晴明桔梗(桔梗印)」であり、キキョウは神社にとって最も神聖な象徴です。

境内には約2,000株のキキョウが植えられており、毎年6月中旬から秋の彼岸頃まで、社務所前や桔梗庵周辺に涼やかな青紫と白の花を咲かせます。開花期間限定で授与される「桔梗守」や「桔梗柄の絵馬」を目当てに、全国から多くの参拝客が訪れます。

第3位:青苔の枯山水庭園と調和する美!東福寺 天得院(京都府京都市)#

第3位は、京都五山の一つである東福寺の塔頭寺院「天得院(てんとくいん)」です。古くから「桔梗の寺」として親しまれ、京都屈指の格式と美しさを誇ります。

桃山時代に作庭された枯山水庭園には、みずみずしい緑の杉苔が一面に敷き詰められ、その中に約1,500本のキキョウが点々と咲き誇ります。白砂の波紋、深い緑の苔、そして凛とした青紫のコントラストは息をのむ美しさです。初夏の「桔梗を愛でる特別拝観」では、抹茶をいただきながら縁側でのんびりと庭園美を鑑賞できます。

第4位:紫式部ゆかりの「源氏庭」を彩る!廬山寺(京都府京都市)#

第4位は、京都御所の東側に位置する天台圓淨宗の大本山「廬山寺(ろざんじ)」です。この地は平安時代に紫式部が暮らし、『源氏物語』を執筆した邸宅跡として国の史跡に指定されています。

本堂前に広がる「源氏庭」は、白川砂の砂紋と緑の苔島で平安朝の優雅な世界観を表現した名庭です。6月中旬から9月上旬にかけて、苔の緑の上に約1,000本の紫と白のキキョウが可憐に咲き競います。『源氏物語』の「朝顔の巻」に登場する「朝顔(古名でキキョウを指すとされる)」の風情を今に伝える、文学と歴史ロマンあふれる名所です。

第5位:但馬の静寂な山里に咲く1,000株!遍照寺(兵庫県香美町)#

第5位は、兵庫県北部・香美町の山里に佇む高野山真言宗の古刹「法界山 遍照寺(へんじょうじ)」です。香勝寺と並び「日本三大ききょう寺」の一つに数えられます。

静寂に包まれた境内の苔庭に約1,000株のキキョウが美しく群生しています。山寺特有の澄んだ空気と木々の木漏れ日の中で咲く花々は、都会の喧騒を忘れさせてくれる清涼感に満ちています。7月の見頃には「ききょう祭り」が開催され、手作りのもてなしと素朴な自然美が訪れる人々を癒やします。

植物としてのキキョウの特徴と開花の仕組み#

キキョウ(Platycodon grandiflorus)は、キキョウ科キキョウ属に分類される多年草です。古くから東アジアの山野の日当たりの良い草原に自生してきました。

  • 星形の花冠と「バルーンフラワー」: 花びらは基部が合着した鐘形(合弁花冠)で、先端が美しい5つに裂けて星形を開きます。開花前は5枚の花びらがぴったりとくっつき、風船のように球状に膨らむユニークな性質を持っています。
  • 雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)の受粉戦略: キキョウは自家受粉を防いで遺伝的多様性を保つため、雄しべと雌しべが熟すタイミングをずらす巧妙な仕組みを持っています。開花直後は雄しべが先に成熟して花粉を放出し、花粉が出終わった後に雌しべの先端が5つに開いて受粉可能になります。
  • 絶滅危惧種としての現状: 庭園や園芸用として広く親しまれている一方で、野生の自生種は里山の開発や乱獲、草原環境の減少により激減しており、環境省のレッドリストで「絶滅危惧II類(VU)」に指定されている極めて希少な植物です。

キキョウの花言葉:高貴な愛と歴史に刻まれた紋章#

キキョウは古来より「武士の気骨」や「誠実な愛」を象徴する花として大切にされてきました。

キキョウ全体の全般的な花言葉は「永遠の愛」「誠実」「気品」「従順」です。また、花の色ごとにも繊細な意味が込められています。

花の色・系統 色別の花言葉 由来と背景
紫・青紫色 「永遠の愛」「変わらぬ心」 凛として気品ある深紫の色彩が、時を経ても決して色褪せない一途な愛情を表しています。
白色 「清楚」「従順」「純真」 一点の曇りもない清らかな白花が、相手を信じて寄り添う純粋な心を象徴しています。
ピンク色 「薄幸の愛」「可憐」 紫や白に比べて珍しく、繊細で淡いピンクの花びらが儚げな美しさを醸し出します。

歴史に刻まれた「桔梗紋」と「五芒星」:
キキョウの端正な五角形は、日本の歴史において重要な家紋や呪符として用いられてきました。
武家では「桔梗」の漢字を「更に勝つ(吉・更・勝)」と分解して縁起を担ぎ、美濃の土岐氏をはじめ、戦国武将の明智光秀、加藤清正、幕末の坂本龍馬などが桔梗紋を愛用しました。また、陰陽道では安倍晴明が創始した五芒星を「晴明桔梗印」と呼び、万物の除災清浄を司る究極の魔除けの紋章として今なお崇められています。

自宅の庭や鉢植えで咲かせる!キキョウの育て方・栽培ガイド#

キキョウは日本の気候に適した宿根草(多年草)であり、ポイントさえ押さえれば毎年花を咲かせて楽しむことができます。特に「切り戻し」を行うことで、1シーズンに初夏と秋の2回花を咲かせる(二度咲き)ことができます。

キキョウを元気に育てる栽培のポイント
  • 植え付けと土作り: 苗の植え付けや植え替えの適期は春(3月〜4月)です。日当たりと風通しが良く、水はけの良い用土(赤玉土7:腐葉土3など)を好みます。
  • 水やり(過湿に注意): 多湿を嫌うため、土の表面がしっかり乾いてからたっぷりと与えます。庭植えの場合は根付けば自然の降雨で十分育ちます。
  • 二度咲きを促す「切り戻し(剪定)」: 6月〜7月の1番花が一通り咲き終わったら、茎の下から3分の1〜半分程度の高さでバッサリと切り戻します。すると約1ヶ月後に新しい脇芽が伸び、9月〜10月の秋に再び美しい花を咲かせます
  • 花がら摘み: 咲き終わった花をこまめに摘み取ることで、種子に栄養を取られず、次々と長く花を咲かせることができます。
  • 冬越しの管理: 晩秋になると地上部の茎葉が自然に枯れて休眠期に入ります。枯れた茎を地際で切り取り、冬の間も土が完全にカラカラにならない程度に時々水を与えて春の芽吹きを待ちます。

まとめ:古都の風情と伝統を紡ぐ、凛とした青紫の美に出逢う旅#

万葉の昔から現代に至るまで、日本人の美意識を刺激し続けてきたキキョウ。初夏の爽やかな風に揺れる姿も、秋の七草として静かに佇む姿も、見る者の心を洗うような清々しさに満ちています。日本一の規模を誇る香勝寺の大花園から、京都の苔庭や歴史ある神社仏閣まで、今年のシーズンはぜひ凛とした青紫の桔梗を愛でる旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。



【出典】#

  1. 京都観光Navi(京都市観光協会 公式サイト)
  2. 晴明神社 公式ウェブサイト
  3. 森町観光協会 公式ウェブサイト(遠州の小京都・遠州のききょう寺 香勝寺)