秋の味覚2026!秋といえばサンマとシャケ、漁予測と実際
黒兎も大好きなサンマ!やはりその中でも秋のサンマは別格です。そして秋の旬魚といえば。秋サンマだけではなく秋鮭に戻り鰹。先月の水産省の予想と実際の今週の水揚げの状況、またそれぞれの魚の魅力や美味しい食べ方、主要な漁港の様子などをお届けします。
まだまだ暑い日続いていますが、来週を待たずに食卓にも足の早い港からは秋の味覚が出荷され、転倒にも少しづつ並ぶ季節となりました。特に8下旬から9月上旬は、夏から秋へと移り変わる時期であり、海の恵みも「秋の旬」へと大きく様変わりします。しかし、地球規模での気候変動や海水温の上昇により、私たちの食卓を彩る日本の大衆魚をめぐる海中環境は毎年変化しています。今年の秋の旬魚も、魚種によって豊漁と不漁の明暗がくっきりと分かれる厳しい漁況が予測されています。本記事では、秋の味覚の主役である「サンマ(秋刀魚)」を中心に、今が旬である「秋鮭(アキサケ)」や「戻り鰹(モドリカツオ)」の最新の漁況情報、国内外の漁場の現状、有名な漁港、そして最も美味しく味わうための食べ方までを詳しく解説します。
2026年サンマ漁の現状と国内外における最新予測#
日本の秋を代表する魚といえばサンマですが、2026年のサンマ漁は例年以上に厳しい立ち上がりが予測されています。水産研究・教育機構が7月に発表した2026年の長期漁況予報によると、8月から12月にかけて日本近海(道東から常磐海域)に回遊してくるサンマの量は、記録的な不漁であった昨年をさらに下回る見込みと報告されました。サンマの資源量自体が過去最低水準で推移しており、日本近海までサンマの群れが南下してこないことが原因とされています。
そのため、主な漁場は日本から遠く離れた公海(国際水域)が中心となっています。この公海上の漁場へは、日本の大型漁船だけでなく、台湾や中国、韓国などの海外の外国船も多数出漁しており、限られた資源をめぐる激しい操業競争が繰り広げられています。近年はウクライナ戦争やイラン戦争の件もあり、燃料費や人件費の高騰も続いており、遠方の漁場までの往復にかかるコスト負担が漁業関係者にとって大きな課題となっています。漁獲されるサンマのサイズも小ぶりなものが多く、一尾あたり100グラムから110グラム前後の1歳魚が主体になると報告されていました。
サンマ水揚げの主要漁港と伝統のブランド#
サンマ漁において、全国的に高い知名度を誇る漁港がいくつか存在します。これらの港では、水揚げされたばかりの新鮮なサンマを迅速に処理・出荷するための高度な設備が整えられています。
1.北海道・花咲港(根室市)
全国一のサンマ水揚げ量を誇るのが、根室市の花咲港です。北太平洋の漁場に最も近い利点を活かし、例年シーズン初めには新鮮なサンマが大量に水揚げされ、日本各地へ最速で届けられます。根室では毎年秋に「根室さんま祭り」が開催され、炭火で焼いたサンマが振る舞われるなど、サンマは地域コミュニティのシンボルとなっています。今週の17日に根室市で上がった新サンマは水産庁の予想とは大きく違い、大振りで脂も乗っているサンマだったようで、関係者は胸をなで下ろしているようです。店頭価格も200〜600円と例年なみのようです。一安心。今後も数が上がれば価格も落ち着いてくると思われます。
2.宮城県・気仙沼港および岩手県・大船渡港
本州における主要な拠点となるのが三陸海岸の気仙沼港や大船渡港です。三陸沖で操業する漁船が次々と入港し、活気ある競りが行われます。三陸の冷たい海で身が引き締まり、脂が適度に乗ったサンマはブランド価値が高く、築地や豊洲市場でも一目置かれる存在です。
コラム:極上のサンマを見分けるポイント
店頭で美味しいサンマを選ぶ際は、背中側が青黒く光り、お腹側が銀色に輝いているものを選びましょう。また、口の先が黄色くなっているものは、脂がたっぷり乗っている新鮮な証拠です。身が太っていて、持ったときに全体が硬く真っ直ぐに立つものが良質とされています。
秋の訪れを告げるもう一つの主役「秋鮭」の危機#
厳しい見通しとなっているのが秋鮭です、毎年前年度の半分の水揚げになっている北海道の鮭は、一番多かった年から今年は6%!程度の水揚げしかなくなりそうです。当然鮭の卵の「いくら」もかなり値上がっています。
この歴史的な不漁の原因は、地球温暖化に伴う海水温の上昇です。稚魚が海に降る春先の沿岸水温が適温よりも高すぎたことや、回遊ルートである北太平洋のプランクトンなどの餌環境が悪化したことで、順調に成長して故郷の川へ戻ってくる鮭の数が激減してしまいました。もちろん現在においては、資源回復に向けた禁漁区の設定や放流方法の改善など、官民を挙げた長期的な対策が進められていますが、まだ効果が出ていないようです。
今秋の救世主となるか?脂の乗った「戻り鰹」の復調#
秋鮭が厳しい予測となる一方で、2026年の秋に明るい話題を提供してくれているのが、カツオ(鰹)です。昨年は海水温の乱れにより各地で深刻な不漁が報告されたカツオですが、今年は春の「初鰹」の時期からまとまった漁獲量が維持されており、秋の「戻り鰹」シーズンに向けても平年並みの順調な水揚げが期待されています。
戻り鰹とは、春に黒潮に乗って北上したカツオが、水温の下がる秋に餌をたっぷり食べて丸々と太り、再び南下してくるところを漁獲したものです。さっぱりとした味わいの初鰹に比べ、戻り鰹は「トロ鰹」とも呼ばれるほど全身に上質な脂が乗っており、濃厚なコクとねっとりとした食感が楽しめます。特に三陸沖で漁獲され、宮城県の気仙沼港や福島県の小名浜港に水揚げされる戻り鰹は非常に質が良く、今秋の日本の食卓を支える貴重な海の幸として期待が集まっています。
9月上旬に旬を迎える代表的な秋の魚の比較#
今回ピックアップした3つの代表的な秋の魚について、それぞれの特徴や水揚げ地、味わいの違いを比較表にまとめました。
| 魚種 | 2026年の漁況・特徴 | 有名な水揚げ港 | 味わいと魅力 |
|---|---|---|---|
| サンマ (秋刀魚) |
極めて厳しい不漁予測。公海での操業が中心で小ぶりなサイズが多い。 | 花咲港(北海道)、大船渡港(岩手県)、気仙沼港(宮城県) | 独特のほろ苦い内臓と香ばしい皮。塩焼きにすることで脂の旨味が際立つ。 |
| 秋鮭 (アキサケ) |
過去最低水準の不漁予測。海水温上昇による稚魚の生存率低下が要因。 | 標津港(北海道)、根室港(北海道)、宮古港(岩手県) | 身はアッサリとしており、煮物や焼き物に適する。プチプチとしたイクラも魅力。 |
| 戻り鰹 (モドリカツオ) |
順調な漁獲量が期待される。脂の乗りが非常に良く高品質。 | 気仙沼港(宮城県)、勝浦港(千葉県)、焼津港(静岡県) | 濃厚で脂の乗った極上の旨味。炙ることで香ばしさが引き立つタタキが絶品。 |
旬の味覚を極限まで楽しむための美味しい食べ方と調理法#
獲れたての魚の魅力を家庭で存分に引き出すための、おすすめの調理法をご紹介します。
1.サンマ:王道の塩焼きとさっぱり薬味
新鮮なサンマはやはり「塩焼き」が一番です。焼く30分ほど前に全体に塩を振り、余分な水分と臭みを拭き取ってから強火で一気に焼き上げます。内臓(ワタ)も新鮮なものであれば美味しく食べられます。たっぷりの大根おろしと、徳島県特産のすだちやカボスを搾ることで、サンマの脂の甘みが引き立ち、さっぱりと食べることができます。また、三枚におろして新鮮なうちにいただく「さんまの刺身」も秋限定の贅沢です。
2.秋鮭:北国の伝統料理「ちゃんちゃん焼き」
身が引き締まりつつも淡泊な秋鮭は、油分や味噌と合わせることで劇的に美味しくなります。北海道の郷土料理である「ちゃんちゃん焼き」は、ホットプレートや大きなフライパンにキャベツや玉ねぎ、しめじなどの野菜を敷き詰め、その上に鮭の半身を置いて、甘辛い特製味噌ダレとバターで蒸し焼きにする豪快な料理です。野菜の甘みと鮭の旨味が味噌と一体になり、ご飯が進む絶品おかずになります。
3.戻り鰹:香ばしい「藁焼きタタキ」と薬味醤油
脂の乗った戻り鰹は、表面を強火でさっと炙る「タタキ」にするのがおすすめです。フライパンで皮目を香ばしく焼き、すぐに氷水で締めてから厚めに切ります。たっぷりの薄切りニンニク、刻んだネギ、和ハーブである大葉や生姜を乗せ、塩やポン酢醤油でいただきます。脂が強いため、醤油にワサビをたっぷり溶かした「わさび醤油」で刺身としていただくのも、戻り鰹ならではの贅沢な味わい方です。
日本の秋を彩る旬の魚たちは、それぞれに異なる背景と美味しさを持っています。漁況の厳しさは懸念されますが、海の恵みに感謝しながら、この時期だけの贅沢な味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。