NTTフレッツ光クロスを使いだして1年
10Gインターネット接続を全国に広めたNTTフレッツの光クロス。Nuro光でも10G始めていたが提供範囲が狭くうちでは未だに2.5Gのみ。さて光クロス10GとNuro光2.5Gを両方使ってきたこの1年どうだったのか?
一般的な家庭における、ネットワーク環境はだいたい1G。もちろん10年前の100Mbpsより10倍早いわけですが、100Mから1Gへの10倍と、1Gから10Gへの10倍は全く違います。1G対応は非常にコストが安いので殆どの機器が1G対応しているのに対して、10G導入のためにすべての機器が10G対応している家庭は少数派。基本的には故障するまで使っていて、ネットワークには買い足された端末がどんどん増えていく混在型の環境でしょう。そしてネットワーク環境を10Gにステップアップするには以下のすべてが10G対応にならないと速度を発揮しません。
1.パソコンのネットワークカード(NIC)が10G対応であること。
最近はだいぶ値段が下がってきたので、安いカードも増えてきましたが、実はまだまだ相性問題があって不安定です。新品なのに買っても動かないカード沢山ありますw。相性の良いカードを探すにも何枚か買わないとならないので結局高くなります。自分も4枚ほど買って最後はIntel純正になりました。そもそも、ノートPCや小型PCなどではネットワークカードを変更できない場合も多く、そのうえ10Gに対応しているノートパソコンも未だに殆ど存在しない状態です。
2.スイッチングハブが10G対応であること。
これが大変。当然1Gと10Gでは処理能力が10倍違うので、ハブですら高性能チップを搭載しなければなりません。よって値段が高額であるだけでなく、ハブ自体もものすごく熱を持ち、場合によっては自分の熱で故障します。またスイッチングハブに10Gをつなげるのに、RJ45という普通のLAN端子ではないSFP+というのを利用する機種だと、そのSFP+接続する端子(片方1個だけでも8千円ぐらいする)も高い。その上熱いw。ともかくご家庭における最大の山場はハブか、次のケーブルです。
3.ネットワークケーブル(LANケーブル)が10G対応であること。
実は10G対応のネットワークケーブルはそんなに高くありません。CAT6A以上(CAT7、CAT8ももちろん大丈夫)であれば、常識的な長さ(30m以下ぐらい)であれば問題ありません。しかし、交換できる場所なら良いのですが、最近の家では隣の部屋や2階への接続用にすでにLANケーブルが壁に埋め込まれているようなことも多いようです。この壁の中のケーブルを交換しようとするとかなりの費用がかかります。もちろんLANケーブルの工事は自分で行うことが可能です。(ちなみに100V電源の工事には資格が必要です)しかしアラシックスの人間が高いところや狭い屋根裏に入れるかというと・・
4.ルーターは純正以外の選択が難しい・・
スイッチングハブですら、10G対応品は高いのですから、さらに複雑なことをさせるルーターにおいては、更に高額です。1G時代でネットワークが小さくて済む場合は、ルーターに付いているハブ機能で十分な場合が多かったのですが、NTT標準のルーターですら10G対応端子は1個だけ。自前ルーターで有名なYAMAHAのRTXシリーズでも10G対応しているのは、2機種だけで一番安くても定価24万円です(この機種でも10G端子は1個、よって10Gハブは必須です)。CISCO系だと一番安くても200万します。なのでフレッツクロスなら標準のXG-100NE。NuroならNSD-G1000Tの一択となるわけです。しかし、NuroのNSD-G1000Tの設定画面では殆どなにも設定できるところがなく、XG-100NEでもパケットフィルターぐらいです。なので自分でサーバー公開したいとか、外部とVPNで繋げるとは実質できません。※正直自分で古いパソコン+10G-NIC2枚でルーターを作ってしまう方が安上がりです。
このように、10Gを活かすにはかなりの投資が必要になります。この1年間でこつこつと10G機器への置き換えを進めてきましたが現時点でもかなり高額になっています。こんな中で一番安く10Gを体験するのであれば、クロスを引いてXG-100NEにWiFi6 or 7の10Gポート付きのWiFiルーターを購入して、ケーブル接続をやめることです。理論上 WiFi-6は、9.6Gbpsとほぼ10Gbps。WiFi-7 は 48Gbps が「理論値」となっており、下手なLANケーブルよりも早い場合があります。もちろんWiFiルーターとの距離や電波干渉、複数端末接続によって大きく低下しますが、一番コスパが高いチョイスでもあります。
そしてそもそも光クロスの10G自体もベストエフォート(理論値では10Gだけど)というものなので、実は10Gも速度はでません。それでも平均5G、最高7Gぐらいまで出ることがありました。1G時代でも理論値だったので、実測としては10倍近い速度が出ているということになります。しかし拠点間でのファイル転送などに限って言えば、超高速な接続方法があります。
【NTT網内ネット直結方式】
通常インターネットはNTTフレッツなら以下のように外部につながります。
IPv4 方式の場合:パソコン → スッチングハブ → ルーター → ONU(光回線終端装置)→ NTT網内ネット(NGN) → ISPのIPv4変換装置 → インターネット
しかし、IPv6の場合アドレス変換が必要ないので、ONUに直接サーバーをぶら下げることが可能です。NGNからRA(IPv6のアドレス配布の仕組みの1つ)によって、サーバーにアドレスが設定され、このサーバーが10Gのネットワークカードを搭載していれば、離れた2拠点間を同じ構成にすることで、拠点Aのサーバーと拠点Bのサーバーは、NGN内のみだけでインターネットに繋がらずに直結できることになります。もちろん、NGNといえどもサーバー自身のパケットフィルターで両拠点のIPv6のPrefixを登録して、それ以外はDropした方が良いのは当然ですが、この方式ではプロバイダー契約も、ルーターの設置も必要なく殆どオーバーヘッドがなく10Gの帯域がフル利用できます。(両拠点ともNTTである必要があり、NTT東とNTT西は繋がりません。別NGNなので)もちろん、ONUとサーバーのハブに、XG-100NEをつなげて、そのローカル側に普通のパソコンを設置すればIPv4でのインターネット通信も可能です。
【1年の利用結果として】
NTT網内直結方式で拠点間の同期コピーやファイル送信などには、簡単にかつ低予算でかなりの効果が期待できます。しかし単純にインターネットを高速化させるには、WiFiなどの方式か、コストをしっかり掛けて、ネットワーク上の機器をすべて10Gに対応させる必要があるということで、費用対効果を十分に配慮する必要があります。