2026年7月版!最新LLMコーディング能力比較のまとめ
今日現在、2026年7月における最新LLMのコーディング能力の比較をまとめました。Claude Fable 5等のスコア、ローカル運用に理想的なVRAMサイズ、推奨ハードとコストなど、AI(LLM)を使う時の指針に役立つと幸いです。
2026年7月現在、AIによる自動コーディングの能力は劇的な進化を遂げています。特に、ソフトウェアエンジニアリングタスクの解決能力を測る「SWE-bench Pro」におけるスコアは、各LLM(大規模言語モデル)のコーディング力を評価する上で非常に重要な指標となっています。本記事では、主要なクローズドモデルとオープンモデルのスコアを比較し、さらにオープンモデルをローカルで稼働させるためのハードウェア構成やコスト、クラウドAPI利用時との損益分岐点について詳しく解説します。
最新LLMコーディング能力比較(SWE-bench Pro)
現時点での主要モデルのスコアと特徴は以下の通りです。※スコアは、SWE-bench Pro での評価| 順位 | モデル名 | 開発元 | タイプ (必要VRAM) |
スコア | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Claude Fable 5 | Anthropic (米国) |
クローズド | 80.0% | 圧倒的なデバッグ能力を持つ現時点の絶対王者。米国政府の許可が出て他国でも使えるようになった。 |
| 2 | Claude Mythos | クローズド | 77.8% | 先行提供されている超強力な推論モデル。特にセキュリティに特化しており、銀行や証券会社など許可された法人しか使えない。 | |
| 3 | Claude Opus 4.8 | クローズド | 69.2% | Fable5 が使えない場合の利用可能なモデルの中で最高峰の性能。 | |
| 4 | GPT-5.6 Sol | OpenAI (米国) |
クローズド | 64.6% | OpenAI社の中での最高峰。エージェント動作に優れた推論モデル。 |
| 5 | GLM-5.2 | Z.ai (中国) |
オープン (2TB) |
62.1% | 中国製に限らず、オープンウェイトで世界1位、クローズドに肉薄。 |
| 6 | Claude Sonnet5 | Anthropic (米国) |
クローズド | 59.6% | Opus 4.8の4割以下の価格で同等のコーディング力を発揮する超高コスパモデル。 |
| 7 | Qwen3.7 Max | Alibaba (中国) |
オープン (2TB) |
60.6% | 様々なウェイトのモデルを持ち多くのベンチャーが独自AIのベースに選ぶ、高い汎用性を持つオープンモデル。 |
| 8 | MiniMax M3 | MiniMax (中国) |
オープン (1TB) |
59.0% | 2026年6月に公開したばかり、長文対応に強みを持つ。画像や動画入力も可能なマルチモーダルモデル。 |
| 9 | DeepSeek-V4 | DeepSeek (中国) |
オープン (1TB) |
55.4% | コストパフォーマンスに優れたモデル。 |
注目ポイント: 上位はAnthropicのClaudeファミリーが独占していますが、中国製オープンモデル(GLM-5.2やQwen3.7 Max)がGPT-5.6 Solなどの強力なクローズドモデルに肉薄している点が注目に値します。
大規模ローカルLLMを稼働させるためのハードウェア要件
オープンモデルの多くは1TB〜2TBクラスの非常に巨大なパラメータ数を持っています。これらをローカル環境で実用的な速度(量子化を適用した状態)で動かすための「理想的なVRAMサイズ」とハードウェア構成について解説します。必要なVRAMサイズの目安
2TBクラス(GLM-5.2, Qwen3.7 Max等): 4bit量子化(INT4/AWQ等)を適用しても、モデルのロードとコンテキストウィンドウ(KVキャッシュ)のために最低でも192GB以上のVRAMが必要です。1TBクラス(MiniMax M3, DeepSeek-V4等): 同様に4bit量子化で 128GB以上 のVRAMが理想的です。
ローカルLLMの最安推奨ハードウェア構成と費用まとめ
現行のGPU市場において、大容量VRAMを最も安価に構築する方法は、現在においてはAMD一択でしょう。昔であればMacStudioなども候補に上がりましたが、メモリ不足問題で現在では最大メモリが96MBが上限(というよりこれしかない)となり、価格も30%上がり最低でも120万ぐらいからになりました。| 機種 | CPU(TOPS) | VRAM (メモリ) | 概算費用 | 特徴と評価 |
| NVIDIA DGX Spark | 1000 TOPS (INT 4) | 128 GB (Unified Memory) | 80万円 (1台) | パソコンいらずLinuxで動く。2台を繋げて256GBに増やせる。消費電力が低く、静音性に優れる。 |
| NVIDIA A100 | 1248 TOPS (INT 4) | 80 GB (VRAM) | 430 万円 (1台) +PC代 | グラボみたいな見た目だが、AI処理しか出来ないので、画像出力端子がない。消費電力が異常なほどかかる。中古のみ。 |
| NVIDIA H100 | 3958 TOPS (INT 8) | 80 GB (VRAM) | 570 万円 (1台) +PC代 | A100 の後継機。帯域が大幅に増え計算速度は倍。中国への輸出規制がかかった。 |
| RTX 3090 × 8台 +PC 構成 | 2504 TOPS (INT 8) | 192 GB (VRAM) | 180 万円〜 (PC代込み) | 8枚のグラボをさせるマザボが必要。 |
| AMD AI Max+ 395 | 50 TOPS | 128 GB (Unified Memory) | 59 万円〜 | 最強のコスパ。消費電力が低く、静音性に優れる。 |
| Apple MacSudio M3 Ultra | 36 TOPS | 96 GB (Unified Memory) | 116万円〜 | 消費電力が低く、静音性に優れる。 |
クローズドモデルAPI利用時のトークン単価と損益分岐点
これほどのスペックのPCを導入すべきか、あるいはクラウドのAPI(Claude OpusやGPT-5.6など)を従量課金で使い続けるべきか、その損益分岐点を簡単に試算します。 現在、一般的な高性能クローズドモデルのAPI単価は以下のような相場です(※例としてSonnet5クラスを想定):
- 入力(Input): $3.00 / 1M token
- 出力(Output): $15.00 / 1M token
コーディングタスクでは、コンテキスト(既存のコードベースなど)を大量に読み込ませるため、入力トークンが非常に多くなります。
例えば、1回のやり取りで 入力: 50,000 token / 出力: 2,000 token を消費する場合、1回あたりのコストは約 $0.18(約27円)です。
損益分岐点の計算:月額 27,700円 ÷ 27円/回 = 月間 約1,025回の推論リクエスト つまり、1日あたり約34回以上、大規模なコードベースを渡してのコーディングタスクを実行するヘビーユーザーや開発チームであれば、クラウドAPIを使い続けるよりもコスト的に有利になる計算です(※オープンモデルの回答精度がクローズドモデルに十分代替できると仮定した場合)。
実際には皆さんサブスクを使っており、月額利用のトークン費用はもっと少なく、メモリが異常に高くなっている状況であれば、正直、損益分岐まではかなりのヘビーユーザーでも元が取れるか怪しいです。