#3 公開サーバーについて
作成されたサイトの公開をするサーバーは何がよいのでしょうか。ここでは昔からの流れを見ながら考えていきます。
さて、開発してプロジェクトを保存する場所を決めました。次はそのプロジェクトの成果物を実際にインターネット上で公開をするサーバーが必要です。
昔はWebサーバーと言えば、HTTPd(1990年〜)から始まりApache(1995年〜)に引き継がれ暫くは王者でしたが色々と機能を追加して複雑に重くなってしまったので、現代の主流は軽くて高速処理が可能なNginx(2004年〜)へと全世界におけるシェア1番は変化してきました。
しかし所詮は1台のサーバーでの情報提供では、そもそも物理的な距離によって遅延は発生し、その経路を様々なスイッチングハブのようなもので、各家庭や職場、スマホに届くまでには中間に存在するオーバーヘッドが重たい上、インターネットの情報交通量が莫大に増えてきたため、更に遠距離からのデータ送信には時間がかかるようになります。
そこで、現れたのがCDN(Content Delivery Network)という概念です。直訳すればコンテンツ配信網で、要するに1台のサーバーで情報発信するのではなく、ユーザーに一番近いサーバーから情報を送りましょうという、早くするには当たり前の仕組みです。問題なのはこのサーバー維持には莫大な費用がかかります。しかし一度構築してしまえばこれほど強力な仕組みもありません。
すでに自社でサーバーを持つコストよりも、サーバー専門業者の方がコスパが良いバランスになり、世界の企業はこぞって、Amazon Web Service(AWS)や、Google Cloud(gCloud)、Microsoft Azure(Azure)などに、自社のサーバーを任せるようになってきました。自分も生保や損保の会社のサーバー運用を少しお手伝いしていた時期がありましたが、巨大な建造物に完璧な空調、セキュリティの為の人材に始まり運用及び機器メンテ要員の雇用、運用機器であるコンピュータのメーカーとの莫大な保守費用に停電対策のための、地下室にある発電装置など、いやはや今考えればいくら掛かっていたのか考えるだけでも恐ろしい金額です。そのうえ、はっきり言って同じようなものを各企業が独自に持つより、専門業者としてサービス提供して合理化した方がコストが下がるのは当たり前です。
そうやってオンプレミス(自社保有運用型)が減っていって、AWSなどのクラウド業者が世界を席巻しました。しかしそこに彗星のように現れたのが、Cloudflare社(米)です。当初はネットからの攻撃を防ぐサービスで業界に浸透していきましたが、そのセキュリティから始まった思想で、企業サイトの入り口にあたる、DNSサービスやCDNに特化したサービスを提供し始め、安全でかつ高速な環境を、オンプレミスをクラウドに置き換えるのではない、静的な情報に特化したサーバー提供を行い始め、現在非常に勢いがある会社で、CDNの世界シェアで80%以上とも言われています。
様々なサイトは背景にデータベースを使っていても、定期的な更新程度で意外と静的な情報ページとして済むサイトがとっても多いです。まさにブログサイトなどのその典型例です。
【Cloudflareのサーバー無料枠】
AWSのサーバーの無料枠は、インスタンスというサーバー機能単位で、t3.micro 程度の処理速度のものがせいぜいで、もちろんCDNなどは利用できません。が、Cloudflareは最初からCDN対応です。
- Workers Free: 100,000 リクエスト/日
- Queues Free: 10,000 operations/日(read/write/delete 合算)(非同期処理キュー)
- Hyperdrive Free: 100,000 DBクエリ/日(DB接続レイヤー)
- D1(KVS)の制限:1DBあたり500MB以下、1アカウントあたり5GB以下
以上がすべて無料枠!いやはや太っ腹すぎますw。その上通信量も無料なので通信量が増えるとコストが上がっていくクラウド系とは大違い。早くて安くて高性能。吉野家の牛丼ではありませんが三拍子そろった素晴らしいサービスなのです。また、ユーザーに一番近いサーバーを供給網の端にあることからエッジサーバーと呼びますが、静的情報と言えども、このworker機能を使うとエッジサーバー上で結構な事ができます。
さて、話の流れが見えてきたと思います。サーバー公開にはこの Cloudflareのサービスが最も、個人でも法人でもサービス開始にはとても向いています。アカウントの作成や利用開始までは、多くのサイトで紹介しているでしょうから、ここでは割愛します。